バベルデッキ構築概論

もともとは余ったカードで、カジュアルレガシーの2軍デッキを作りたいなぁという所から始まりました。フォースオブウィルを使わない青くて楽しいデッキは出来ないかなと。
ウィルの特性上(カードアドバンテージを捨てて最速のテンポのカウンター)がいらないデッキ、速度よりもカードアドバンテージを生かしたデッキを模索する中、自分から動くクロックパーミは無理、相殺はウィル無しでは守れないと苦悶する中・・・・そして行き着いたのがバベルです。もちろんバベルでもウィルはあったほうがいいに決まっていますがデッキとしてのウィルへの依存度はかなり低いので。
そんなこんなでバベルを作っているうちに、いやはやこれにハマってしまい気がつけばウィルだけで無くあらゆる資産を使っていました。(本末転倒ですね)
実はスタン現役時代からもともとバベルは使っていたのでそれなりの資産と知識は持っているつもりです。しかし、それでもレガシーという広大なカードプールの中からバベルを作るというのも楽しいなりに中々頭を打ちました。




【目次】
1.バベルの特徴
・どういったデッキか?
・どういうメタのデッキか?
2.構築のポイント 
・スピード優先
  ・色について
  ・軽量スペル中心の構成
・目的は勝つこと
3.デッキの作り方
  ・EDH的4倍法
  ・逆4倍法(4割法)
  ・構築の流れ
  ・デッキ枚数について
4.パーツ別検証
・軽生物
・エンド生物
・軽ドロー
・重アドバンテージカード
・サーチカード
・カウンター及びハンデス
・軽除去
・全体除去
・キーカード
・銀弾エンチャ
・銀弾スペル
・加速
・土地
5.サンプルデッキ
   ・バベルサンプル
   ・60枚:逆4倍法(4割法)実践
・テストプレイ用60枚バベル参考


《1.バベルの特徴》
〔・バベルとはどういったデッキか?〕

ずばり、コントロールよりのコンボデッキです。
これは、あたりまえのことですが、非常に重要なことなのであえて一番始めにこれについて書かせて頂きました。
なぜなら、今後調整段階であれを抜くこれを抜くなど、シルバーバレットを積み込んでゆくさいに、迷走しないためにコンセプトはしっかりもつ必要があるので。

なぜ200枚を上回る枚数のデッキを作るのでしょうか?
もちろん、答えは、『機知の戦い』による勝利をねらうこと。
また、『Thought Lash』や『崩れゆく聖域』により、ビートデッキ全般に有利に動くためです。最終的にはなんでもできるデッキになるので調整段階でついつい忘れがちですが、あくまで『機知の戦い』を出して勝つことが基本。
一応、銀弾が得意なデッキでもあるので、対策カード1枚で勝てる相手には、1枚で勝つパターンもあるデッキでもあります。しかし、その銀弾をサーチするにしても、『機知の戦い』を探すにしても基本的な動きは同じ、コントロールよりのコンボデッキであることに変わりはありません。しつこいようですが、最後まで決してわすれてはいけない基本法則です。


〔どういったメタのデッキなのか?〕
VSビートにおいては、対戦相手エンチャントを壊せるかどうかで勝率が大きく変わります。壊せないなら7:3で有利、壊せるなら5:5でしょうか。VSコントロールでは、物量で負けませんので長期戦は基本有利です。しかしその場合、相手のエンドカードを見抜き、それを止めるカードを集めながら戦うというのが大事ですね。6:4で有利でしょう。VSコンボも、6:4で有利でしょうか。カウンターや銀弾があるのでそれに耐性の無いコンボデッキ相手は、単純に引き勝負です。
こうして見ると様々なデッキに有利な万能デッキと思えるかもしれません。たしかにバベルは理論値最強のデッキで、この世に「もし」があふれているなら、無敵です。しかし、現実は残酷で、バベルデッキは深刻かつ潜在的な持病があります。それこそ、《安定性が無い》《事故が多い》という不治の病。上記の比率はあくまで回った時の話。思い通り回らないことも、もちろん多いので、先ほどの勝率にそれぞれ(-1:+1)補正するイメージでしょうか。そして、この補正を極限まで押さえるための工夫こそがバベルデッキ構築の真髄。そういう意味では非常に作り概のあるデッキだといえます。
またその他の特徴では、【マナを縛られると凄く弱い】という弱点があります。デッキを回すにも、対策するカードをサーチにも、全ての動きにマナがいるデッキなので、土地がまともに動かない相手には、あっという間に負けてしまいます。序盤の「不毛の大地」でもなかなかこたえますが、「冬の宝珠」や「基本に帰れ」「ハルマゲドン」は、まさに天敵ですね。

《2.構築のポイント》
〔スピード優先〕
このあたりから、構築の本題です。バベルデッキには、いろいろな作り方があるとは思いますが、個人の持論としてはレガシーのバベルデッキにおける構築のポイントは1つ。
レガシー環境のスピードに着いていけるように作る。
まずは、これが出来ていないとファンデッキから抜けることはできません。これがレガシーにおける構築の当面の最重要課題です。

〔色について〕
持論では、メイン2色まで、他の色はタッチが基本だと考えております。
UWbもしくは、UBwでしょうか。これは土地の資産の問題ではありません。デッキとしての動きの問題で、2ターン目にUUを出しながら3ターン目にBB1、4ターン目にWW2を求めるのは無理がありますよねって話です。こういった色マナが調達できずに動きが鈍る状況を極力防ぐためにも、あくまで2色メインで調整して行きましょう。
裏をかえせば、3色が均等比率で入るようではダメということ。経験則でもあるのですが上手く噛み合わないケースが無駄に増えます。レガシーの速度について行くには、色マナに困っている暇はありません。

〔軽量スペル中心の構成〕
そして、レガシーの速度についてゆくには、軽量スペルを多く積み込むことが色あわせに加え、もう一つの重要ポイントです。
「いつ引いても使えるカード」以外は入れない。それくらいのつもりで尖らせて行かないとレガシー環境のガチデッキには、なかなか勝てません。それはつまり「デッキの何処を引いても使えるデッキ」と同じ意味でもあります。
あくまで部品は「単体でもレガシークラスのカードパワーであること」 が必要不可欠です。
タワーデッキだからこそ、無駄なカードは入れてはいけません。安定性が無いデッキだけに、スピードがレガシーレベルで無いカードを引くと、それが例え強いカードでも手札に持ったまま、普通に死ねます。
具体例を上げると、240枚のバベルデッキにカウンター系の呪文を30枚入れたいとします。
初めは、『対抗呪文』や『呪文嵌め』などレガシーで常連のカウンターをいれてゆくと思うのですが、だんだんと素材が足りなくなって『吸収』や『撃退』などが候補に上がりだしたら、レガシーのバベルデッキ構築においては、末期状態です。
『吸収』も『撃退』もスタン時は活躍できましたが、レガシーでほとんど見かけるようなカードではありません。レガシーの大会で、もしあなたが仮にランドスティルを使っていたとして、初手に『吸収』や『撃退』が来たときに、勝つヴィジョンが浮かぶでしょうか?それが、『呪文嵌め』や『Force of Will』 であればどうでしょう?
バベル戦においても、そういった2軍カードが手札にくるような試合はほぼ負けます。だからこそ、『吸収』や『撃退』を入れるくらいなら、カウンター系のカードで無かったとしてもコンセプトを見直して、違う効果でもレガシーで使われているカードを使ったほうが圧倒的に良いです。『もみ消し』やら『火+氷』やら・・普段レガシーで使われているカードであれば、基本的にいつ引いて使うことができます。そういった柔軟のある調整もデッキ構築のポイントです。


〔目的は勝つこと〕
合わせて忘れていけないのが、『機知の戦い』を出すことが目的ではなく、勝つことが目的であることです。あたりまえのことを唐突に書きましたが、つまりは何がいいたいかというと、【マナ加速やサーチ、1マナドロー補佐カードは無駄に入れすぎるな】ということです。
4ターン目に機知を出すより、無理をしないでゲームをコントロールしつつ6ターン目に出して相手に対応されても、ゲームの流れは崩れないプレイングと構成が大事です。
これはつまり、始めに書いた「コントロールよりのコンボデッキ」というのにも繋がります。コントロールデッキでも無く、コンボデッキでも無いながら、コントロールデッキであり、コンボデッキである、ということ。それはつまり、目的は勝つこと。
勝つために一番相応しいプレイングが出来る柔軟のある構成のデッキを目指しましょう。



《3.デッキの作り方》
もっとも有名な作り方は、4倍法です。
60枚のデッキを作り、似た効果のカードを4種類集めて、240枚にして最後に調整する方法ですね。
しかし、このやりかたには2点ほど問題があります。
・変わりが効かないカードの存在や、劣化カードを入れざる得ないこと
・60枚と240枚では安定性において同じ回りかたをしないこと。
そこで私が提案したい構築法2つ
・EDH的4倍法
・逆4倍法(4割法)

〔EDH的4倍法〕
「エルダードラゴンハイランダー的1枚制限を踏まえた60枚構築の4倍法」です。
同じカードは1枚しか使えないという条件の元で60~65枚のデッキを作った上で4をかけるやりかた。
こうすることによって、4倍した時に劣化カードを入れざるえないという問題は根本的に改善されます。また、最近はEDHのレシピも多くネットに落ちていますので、パーツ参考も容易な時代、この方法を模索検討する価値は大いにあると考えています。

〔逆4倍法(4割法)〕
4倍法の逆転的なやりかたで、60枚デッキを240枚にするのでは無く、240枚デッキを60枚にするやりかた。つまりは、60枚デッキだったら何枚に相当するかをあらゆる枚数依存の問題について、つねづね調べて行くやりかたです。
たとえば、245枚デッキ中の土地100枚は、60枚デッキ中の何枚に想定するのかをだします。これはもともとやっている方はいらっしゃるかたも多いと思いますが、改めて提案したいです。
なぜこのようなことをするのか?
答えは、4倍法と同じで、バベルデッキを作りたいと思うような資産と知識を有る程度以上持ったプレイヤーは、60枚デッキの調整に慣れているからです。
イメージの問題ではあるのですが、60枚デッキ中単体除去が6枚と聞くと何となく実体験をもとにしたデッキの使用雰囲気が分かると思います。
それを少しでもするために、60枚に想定したら何枚か?を意識するのは重要だといえます。
また、これに加えタワー状態を元に分析を進めて行くので、通常の4倍法よりは「60枚と240枚では安定性において同じ回りかたをしない」という問題への依存率は多少なりとも少ないです。このあたりもこの方法の非常に重要なメリットです。

60枚デッキ係数の算出のしかた。
【調べたいものの枚数X】÷【デッキ総枚数Y】×60枚=【60枚だとして何枚か】 がでます。
この『÷【デッキ総枚数Y】×60枚】』の部分を先に計算してしまうと、【60枚係数B】になります。

ちなみに、
240枚デッキは、B=0.25
245枚デッキで、B=0.2448
260枚デッキで、B=0.2307
300枚デッキで、B=0.2
です。

〔構築の流れ〕
もちろんこの2つの方法のどちらかだけではなく、いろいろな方法を組み合わせて調節してうくことが良いバベルデッキ構築の鍵だと思います。
ちなみに私のやりかたとしては、260枚バベルの場合以下の5段階で進めます。

1.EDH的構築により、65枚デッキを構築。
2.それをもとに4倍しつつ調整し260枚デッキを作る。
3.出来上がった260枚デッキをカード種類別などさまざまな方向性から、逆4倍法を用い60枚デッキのイメージを作り問題無いか確認。
4.60枚の状態で回り方やサーチにかかるターンなどを研究し、その後再度260枚のデッキにする。
5.微調整にて完成

〔デッキ枚数について〕
個人の持論としては、レガシーのバベルデッキは260枚が一番良いと思っています。
なぜ260枚か?
第一に、『Thought Lash』や『崩れゆく聖域』を出しながら『機知の戦い』を打てる展開を狙える枚数であること。240前後では、ビート相手にこの手の展開から機知での勝ちを狙い難かったので。
第二に60枚デッキに慣れている私たちにとって、「60枚デッキのライブラリーアウト=機知の戦いで勝てない状態」が同じ感覚で図れるので、プレイング時の感覚の目安になること。バベルデッキの勝ちパターンは8割が機知の戦いですから。200枚という数は非常に重要です。
ちなみに、260枚デッキにおいて、土地は102枚~106枚の間が適正だと考えております。
60枚係数を掛けると、土地102枚で60枚デッキ中23.53枚相当。
土地106枚で60枚デッキ中24.45枚相当です。
5マナまで伸ばすことと、タワーデッキの安定の低さを考慮した場合、土地は多いくらいで丁度良いと思っています。マナアーティーファクトを多めに入れる場合、もう少し少なくしても回ると思いますが毎ターン土地を出すというこのとほうが一時的な加速よりも優先課題であると私は考えています。

《4.パーツ別検証》
私がバベルデッキを作る時に、パーツ別に大きなくくりを持って構築を進める場合が多いです。土地は何枚で、単体除去は何枚で、という風に。
これをするメリットは、デッキにドローカードが多くなりすぎたり、カウンターが必要以上多くなりすぎたりを防ぐためです。その中でいくら強力な1マナドロースペルでもデッキにスロットが無ければ抜くことも当然あります。前述しましたが、目的は勝つことで機知を早くだすことではありません。そのためにデッキ全体のバランスはとても重要です。

個人の持論では、カードタイプを13種に分けて分析調整をしております。
分けるタイプは以下の通り
【軽生物】         10~18枚
【エンド生物】       4~8枚
【軽ドロー】        16~24枚
【重アドバンテージカード】 15~20枚
【サーチカード】      18~24枚
【カウンター及びハンデス】 24~30枚
【軽除去】         16~20枚
【全体除去】        6~10枚
【キーカード】       8~12枚
【銀弾エンチャ】      10~17枚
【銀弾スペル】       3~8枚
【加速】           0~8枚
【土地】 98~106枚
枚数も260枚デッキの場合、上記ようなイメージです。


【軽生物】
あくまで殴るデッキではないので、この枠のカードの役割としては、ビートダウンからの守備やコントロールデッキへの時間稼ぎです。ノン生物だとサンドバックになってしまうので、アドバンテージを失わないような形で、少数入れたいですね。
候補は、コンボを潰せる『翻弄する魔道士』『エーテル教会の法学者』、対コントロールの安全確認を狙える『ヴァンデリオン三人集』『潮の虚ろの漕ぎ手』、単純に出ただけでアドバンテージを得られる『前兆の壁』や『粗石の魔道士』、また個人的には『飛行機械の鋳造所』もこの枠でカウントしたりします。あくまで大切なのはカードタイプでは無くデッキの中の役割ですので。

【エンド生物】
機知以外の勝ち手段として持つ枠です。正直、8割以上は機知で勝つことが多いのでそんなに登場しないことが多いです。だからこそエンドカードでありながら守備としても1流の『遍歴の騎士、エルズペス』などがお勧めです。また非常に除去体制のあるまた無理なく召還できるコスト件の『ジャワー島のスフィンクス』『 変異種』『曇り鏡のメロク』あたりが良いと思います。また『アカデミーの学長』を入れる場合もこの枠ですね。こいつを軽量生物としてデッキバランス取ると手札で余ったり農場送りされたりで、それがきっかけで普通に死にますので。

【カウンター及びハンデス】
この枠も軽ドロー同様に非常に重要な役割を担います。無ければ勝てませんし、しかしながら、これだけでも勝てません。ついつい入れすぎてしまいがちですが、多すぎず少なすぎずを目指したいです。カウンターだと『Force of Will』『対抗呪文』『差し戻し』『マナ漏れ』『呪文嵌め』『呪文突き』あたり、ハンデスでは、『思考囲い』『強迫』あたりでしょうか。これまでにも書きましたが、レガシーの試合で劣化カードを採用するようでは負けます。あくまで、コストの軽いレガシー第1戦級の選手のみで構成してゆきたい枠です。
また、Willの変わりと言って『誤った指図』や『否定の契約』を入れることは、個人的にはお勧めしません。どちらも理想的なタイミングで手札にある時は恐ろしく強いのですが、そのかわり汎用性が乏しく、手札で無駄カードになることが多いです。これらのカードを構えて5ターン目に『機知の戦い』プレイよりは、しっかりコントロールしつつ6マナ件から『強迫』や『思考囲い』などを先打ちして上でキーカードをプレイするほうが勝てるケースが多いですね。

【軽ドロー】
デッキの潤滑油です。不安定なデッキなので欠かせないパーツではあるのですが、だからといってこれを入れすぎると、毎ターン手札ばかり整えているだけで、プレイヤーがサンドバックのようではレガシーで勝つことはまずできません。多すぎず少なすぎず、あくまで強力なものだけを厳選していれたいです。候補はレガシーでも常連の『渦巻く知識』『思案』に加え『定業』『衝動』『師範の占い独楽』あたりが基本になってきます。これらだけでも4枚入れるとあっというまに20枚ですしね。上記の通り目的は勝つことなので無駄に多く入れすぎてはいけません。2マナ以下のサーチや、土地枚数とあわせてバランス良く調整しましょう。

【重アドカード】
この枠は、上の軽アドやカウンターとは真逆の発想で、少しくらい重くとも1枚でゲームを決めてしまうようなカードパワーのあるドローが望ましいです。『精神を刻む者、ジェイス』『嘘か真か』あたりが筆頭候補でしょうか。他にも『知識の渇望』『強迫的な研究』『調査』『入念な研究』『求道者、テレゼット』なども強力です。このへんはお好みで良いと思います。

【サーチカード】
これも引き過ぎたくは無いカードです。サーチはそもそもゲーム進行上、本来は無駄なカードです。しかし、われわれ凡人は、遊〇王の主人公の用に、引きたいカードだけを引くことはできません。だからこそサーチに頼らざるえず、そのためにも無駄にならない枚数調整が大切です。
筆頭候補は、『悟りの教示者』でしょうか。これに加え『牧歌的な教示者』『直観』『けちな贈り物』あたりは鉄板ですね。加えて『狡猾な願い』『魔性の教示者』『リリアナ・ヴェス』『商人の巻物』あたりも使えなくはないです。変成系のカードは若干力不足ではありますが、黒の濃いデッキの場合なら『脳崩し』は非常に強いです。また、先日禁止になった『神秘の教示者』の変わりに『親身の教示者』 という手も無いことはありません。
ドローカードと合わせた枚数調整がポイントでしょう。個人的には、260枚デッキで、軽ドロー、サーチ、重ドロー合わせて50~60枚あたり、60枚デッキ換算で11~13枚が適正数だと思っています。

【軽除去】
レガシー環境において、決して無いわけにはいけない枠です。相手の生物に対して何もせずには5マナ件内までは生きられない環境なので。ただ、この手のカードの目的は、あくまで時間稼ぎなのであまりアドバンテージを失わないようなもので相手の戦力を捌けば、それがバウンスであろうとも一番理想的です。
パーツを上げるなら、最強単体除去『剣を鍬に』『流刑への道』。流行の死ににくい超大物対策の『悪魔の布告』系列のカード。あわせて軽コストバウンス『撤廃』『残響する真実』。また万能除去『仕組まれた爆薬』『火薬樽』 などもこの枠で良いと思います。

【全体除去】
サーチしてくることを前提に入れたいですね。これもまったく無いわけにはいけません。なんだかんだでこのカードに救われることは思っている以上に多いような気がします。
亜種は多いですが採用レベルは、『神の怒り』『審判の日』『滅び』『アクローマの復讐』まででしょうか。ぎりぎり『ネビニラルの円盤』までですね。

【キーカード】
『機知の戦い』『Thought Lash』『崩れ行く聖域』 です。
聖域のみ4枚確定ではありません。ここも無駄に引きすぎないバランス調整を心がけたいです。


【銀弾エンチャント・アーティーファクト】
ここの枠の採用枚数とその種類こそが、バベルデッキ製作者の個性です。ポイントは、あれもこれもいれたいでは駄目というとこでしょうか。せっかくなのでついつい何でも入れたくなってしまうのですが、1番始めに書いたようにバベルはコントロールよりのコンボデッキ。基本サーチするカードは『機知の戦い』で決まっており、もし他のカードをサーチする場合は、その1枚で勝てるカードの場合のみ、そう思っていいです。あわせて重たくて強そうなカードはいりません。引いても手に持ったまま負けるだけです。相手次第ではありますが1枚で勝てるカードのみを入れてゆきましょう。
候補は、
『神聖の力戦』フルバーン殺し ハンデス対策
『世界のるつぼ』不毛ロックと土地破壊対策
『真鍮の針』適者やPW潰し
『トモッドの墓所・及びその亜種』ドレッジ他を潰す、いろいろサーチしやすい
『弱者の剣』ソプターコンボ用
『ヴィンダルケンの枷』MUCを使ったことのある人は離せない一品
『基本に帰れ』一応入れてもいいです。
『プロパガンタ・及びその亜種』時間稼ぎが必要な時は・・・しかしこれサーチで出すようでは負試合
『謙虚』出したら投了する相手多いです。
『Moat』上記同様
『太陽と月の輪』ドレッジ対策
『浄化の印象』受身のサーチ1
『忘却の輪』受身のサーチ2、PW対策
『仕組まれた疫病・及びその亜種』気休め・・これサーチしているようでは負試合
『信仰の足枷』貴重なPW対策件回復・・・しかし受身のカードではある。
『押収』貴重なPW対策にもなり、プレイできれば万能。しかし受身のカードではある。
『Zuran Orb』サーチしやすいので入れても問題ないが、カードパワーが低め。
『大蛇の孵卵機』サーチしやすい「ほぞ」かつエンドカード
『ネクロマンシー』サーチしてまで使うものでは無いとは思うが
『独房監禁』 専用につくれば1枚で完封できる相手もいます。
『ズアーの運命支配』ライフをデッキに変えていれば、強力なロックになります。
『虚空の力戦』最速の墓地対策の基本ではあるが、太陽と月の輪でも十分。
『聖なる場』受身のカードですが抹消などには強いです。レガシーではいらないでしょう。
『日中の光』これこそ1枚で勝つカード。メタ次第ですが。
『エーテル教会の法学者』生物ですが、ポジションはある意味ここです。メタ次第。
あたりでしょうか。今回は青白黒のものを中心に上げましたが、赤緑でも強力な対策カードはもちろん多いです。しかし、その場合でも、受身のカードは必要最低限までで、基本あまり入れなくていいと思います。『機知の戦い』 では無く、状況への対策を探しているようでは、どのみち負けることが多いですので。
またレガシーで常連の『相殺』や『行き詰まり』はバベルでは弱いです。どちらも専用デッキ向けのカードで、前者は安定せずほとんど消せません。後者は、もともとバベルがドローやサーチを繰り返すデッキなので、まったくコンセプトにあいません。



【銀弾スペル】
『神秘の教示者』の禁止で、大きく枚数を減らした枠ですね。『親身の教示者』を採用する場合のみ、スペースをとっても良いですが、個人的には『狡猾な願い』で十分かと思っています。『補充』『アーギヴィーアの発見』このあたりは代用が聞かないのでバランスが壊れない限り、なるべく入れておきたいカードです。『消えないこだま』は微妙ですね。あるから有利ということも無く、なくても勝てますので。『無敵の賛歌』などは、レガシーバベルデッキの調整の真髄です。ぶっちゃけた話、これを入れているようでは勝てません。なぜなら、これを打って勝つ試合より、これが手札に余って負ける試合のほうが明らかに多いからです。『不朽の理想』も同様で、私としては重すぎと考えています。『神秘の教示者』が使えるなら、1枚差しはありなのですが。

【加速】
枚数としては、0もありです。このへんは好みでしょうか。入れたからといって土地で、デッキのマナバランスがしっかりしているデッキなら大きな変化はありません。若干、テンポ速くなるのと、土地を縛るデッキに耐性が突く程度でしょうか。
ちなみに私は、タリスマインを使います。最近はむしろこれ1択ですね。『モックス・ダイアモンド』『金属モックス』はやはりアドバンテージロスが痛すぎます。基本的には5マナまで貯めないといけないデッキなので、機知で勝つためには通常手札を6枚使用します。5ターン目までに先手が使用できるカードは、マリガン無しで通常12枚。残りの6枚で延命を目指すデッキにおいて、これらの加速のディスアドバンテージの1枚は大きすぎると考えています。『威圧のタリスマイン』 と『発展のタリスマイン』の素晴らしい所は、2マナでアンタップインする所ですね。テンポロスすることなく、思案したり、強迫したり、剣を鋤にしたりしつつ、3ターン目に4マナが出せるのは、レガシーにおいてこれ以上ない恩恵です。
また『厳かなるモノリス』も悪くはありません。基本的に出したターンには使わず、メインフェイズに使用し、また中盤戦以降で相手のエンドフェイズにおき上げる、いわばビックブルー的な使用法が強いです。まぁしかしながら、タリスマインの安定感にはおよびませんが。

【土地】
バベルデッキにおいて優先順位は、【基本地形】【フェッチランド】【デュアルランド】【アンタップイン色マナランド】【タップインランド】【無色ランド】の順番です。

【基本地形】はやはり安定感抜群ですね。5マナ以上貯めないといけないデッキなので安心感が違います。色事故しない限りは、少しでも多く入れたいですね。
逆に【タップインランド】はかなり厳しいです。1枚ならなんとかですが、2枚3枚と1試合に引くと普通に死ねます。よほど強力なもの以外はなるべく入れたくないカードです。【無色ランド】も同様に、普通のデッキ以上色マナ依存が強いデッキですので、無色土地を序盤に2枚以上引くと普通に死ねます。この辺は60枚デッキ以上にスプーキーだと思っています。色マナのちゃんとでる【タップインランド】1枚と【無色ランド】1枚を引くような調整が望ましいです。
【フェッチランド】の枚数もいろいろ意見好みあると思いますが、個人的には60枚係数で4枚前が安定すると思ってまいす。土地102枚ならフェッチ18枚ほどでしょうか。また基本地形の島を1ターン目に持ってこれる物が安定して実用可能と考えており、それは最大16枚。あとは好みで白黒フェッチを調整投入で良いのではないしょうか。フェッチを使う時に問題となるのは、ライフ以上にプレイ時間。シャッフルが大変なデッキなので試合であればそのあたりも気を回さないといけません。そういう意味ではハイブリットランドはもちろん、ダメランも十分採用できるカードです。






《5.サンプルレシピ》
今、私が使っているバベルのレシピです。
けちな贈り物、直観をキーに回るように、3枚差しや名称分けの4種差しが特徴でしょうか。

〔バベルサンプル〕
【軽生物】14    
3『潮の虚ろの漕ぎ手』
3『前兆の壁』
4『粗石の魔道士』
4『飛行機械の鋳造所』
【エンド生物】6      
3『遍歴の騎士、エルズペス』
3『ジャワー島のスフィンクス』
【軽ドロー】16   
4『渦巻く知識』
4『思案』
4『定業』
4『師範の占い独楽』
【カウンター及びハンデス】24 
4『Force of Will』
4『対抗呪文』
4『差し戻し』
3『マナ漏れ』
3『呪文嵌め』
2『思考囲い』
4『強迫』
【重アドカード】17 
4『精神を刻む者、ジェイス』
4『嘘か真か』
4『知識の渇望』
3『求道者テレゼット』
2『強迫的な研究』
【サーチカード】23  
4『悟りの教示者』
4『牧歌的な教示者』
4『直観』
3『けちな贈り物』
4『狡猾な願い』
4『商人の巻物』
【軽除去】18 
4『剣を鍬に』
3『流刑への道』
2『悪魔の布告』
1『チェイナーの布告』
1『残忍な布告』
3『撤廃』
4『仕組まれた爆薬』
【全体除去】7 
4『神の怒り』
3『審判の日』
【キーカード】10
4『機知の戦い』
4『Thought Lash』
2『崩れ行く聖域』
【銀弾エンチャント・アーティーファクト】13
1『神聖の力戦』
1『世界のるつぼ』
1『真鍮の針』
1『トモッドの墓所』
1『大始祖の遺産』
2『弱者の剣』
2『謙虚』
1『Moat』
1『太陽と月の輪』
1『忘却の輪』
1『信仰の足枷』
【銀弾スペル】4
3『補充』
1『アーギヴィーアの発見』
【加速】6
2『威圧のタリスマイン』
4『発展のタリスマイン』
【土地】102
【基本地形】20
12『島』
2『沼』
6『平地』
【フェッチランド】18 
4『溢れかえる岸辺』
4『汚染された三角州』
4『湿地の干潟』
3『沸騰する小湖』
3『霧深い雨林』
【デュアルランド】14    
4『Tundra』
4『Underground Sea』
4『Scrubland』
1『Tropical Island』
1『Volcanic Island』
【アンタップイン色マナランド】27 
4『秘教の門』
4『悪臭の荒野』
3『教議会の座席』
1『古の住居地』
1『囁きの大聖堂』
4『アダーカー荒原』
4『反射池』
2『雨雲の迷路』
4『神聖なる泉』
【タップインランド】15  
4『秘儀の聖域』
4『トレイリア西部』
4『天界の列柱』
3『ボジューカの沼』
【無色ランド】8 
1『ヴォルラスの要塞』
1『アカデミーの廃墟』
1『不毛の大地』
1『黄塵地帯』
4『ウルザの工廠』

サイドボード
『けちな贈り物』
『アーギヴィーアの発見』
『流刑への道』
『悪魔の布告』
『翼の破片』
『残響する真実』
『解体の一撃』
『根絶』
『計略縛り』
『オアリムの詠唱』
『精神壊しの罠』
『貪欲な罠』
『原野の脈動』
『』
『』



〔60枚:逆4倍法(4割法)実践〕
もしこのデッキが60枚デッキだとしたら(係数は0.2307)を実践してみます。
【軽生物】3枚             (3.2)
【エンド生物】1枚           (1.4)
【軽ドロー】4枚            (3.7)
【カウンター及びハンデス】6枚     (5.5)
【重アドカード】4枚          (3.9)
【サーチカード】5枚          (5.3)
【軽除去】4枚             (4.1)
【全体除去】2枚            (1.6)
【キーカード】2枚           (2.3)
【銀弾エンチャント】3枚        (3.0)
【銀弾スペル】1枚           (0.9)
【加速】1枚              (1.4)
【土地】24枚              (23.5)
・基本地形5枚           (4.6)
・フェッチランド4枚        (4.1)
・デュアルランド3枚        (3.2)
・アンタップイン色マナランド6   (6.2)
・タップインランド4枚       (3.5)
・無色ランド2枚          (1.8)


〔テストプレイ用60枚バベル〕
テストプレイをするのであれば、上のバランスを元にEDHルールのデッキを作ります。
クリーチャー2
『前兆の壁』『粗石の魔道士』
インスタント13
『渦巻く知識』『Force of Will』『対抗呪文』『差し戻し』『呪文嵌め』『嘘か真か』『知識の渇望』『悟りの教示者』『直観』『けちな贈り物』『剣を鍬に』『流刑への道』『悪魔の布告』
ソーサリー8
『思案』『定業』『思考囲い』『強迫』『牧歌的な教示者』『神の怒り』『審判の日』『商人の巻物』『補充』
アーティーファクト6
『飛行機械の鋳造所』『仕組まれた爆薬』『発展のタリスマイン』『師範の占い独楽』『世界のるつぼ』『弱者の剣』
エンチャント3
『機知の戦い』『Thought Lash』『謙虚』
PW3
『精神を刻む者ジェイス』『遍歴の騎士エルズペス』『求道者テレゼット』
土地24
『島』3『沼』『平地』『溢れかえる岸辺』『汚染された三角州』『湿地の干潟』『沸騰する小湖』『Tundra』『Underground Sea』『Scrubland』『秘教の門』『悪臭の荒野』『教議会の座席』『アダーカー荒原』『反射池』『神聖なる泉』『秘儀の聖域』『トレイリア西部』『天界の列柱』『ボジューカの沼』『不毛の大地』『ウルザの工廠』
こんな感じのデッキでしょうか。このデッキでレガシーのCTGやらゴブリンやらANTやらと戦っているとバベルというデッキのイメージがより沸いてくるはずです。
その場合『機知の戦い』『Thought Lash』は、対戦相手に、前者は「200枚あったら」後者は「起動コスト:ライブラリー1枚削る」を見えなかったことにしてもうらうチート性能でお願いしましょう。


こんな感じでしょうか、読んでいただいた方にとって、何かしらの参考になれば幸いです。

コメント

KK
2010年11月13日14:38

こんな素晴らしい文章に今まで気付かなかった自分が情けない…orz

これは実に勉強になります、私のブログでも参考にさせていただきます。

ふぁーれんはいと
2010年11月15日16:51

こちらこそKKさんのバベル記事はいつも参考にさせて頂いておりました。

書き漏れや「ここはちょっと・・・」というところなどあれば、いつでもご気軽にご指摘ください。

今後ともよろしくお願い致します。

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